小規模ネットショップやWeb活用で「差別化を!」「ペルソナ作りが大事、誰に何を伝えるか考えて!」といった発信だけは、飽きるほどよく見ますよね😞
「でも、結局よくわからなかった…」方に、基礎となる差別化ポイントを書きました。
もちろん難しい内容もありますが、ていねいな自サイト改善と競合調査ができそうなら、あなただって小さな差別化は重ねていけるはず。
ネットショップは、年々開業店舗が増えるなか、商品数(品揃え)や価格など単純な指標では厳しい戦いが予想されます。
さらに、「こんな時こそオンラインビジネス!」という煽りも増えていそうな状況。
だからこそ、しっかりした情報と振り返りが重要です。
目次
ネットショップにペルソナとコンセプトが必要な理由
他のネットショップでなくあなたのお店だといい理由、存在意義がないと、埋もれやすくなってしまいます。
モール内検索でもGoogle検索でも競合【全般】との競争になり、探されにくいでしょう。
自社ネットショップ数は約13.5万店、モール店舗数は113.9万店。
差別化要因は多くのケースで、価格、カスタマーエクスペリエンス、商品のラインナップ、プロダクトの4つに分類されます。
あなたのECサイトに「買う理由」はありますか? 競合との差別化を実現する4つの方法
すべてにおいて普通のレベルでは、現代のグローバルなデジタルマーケットで勝ち残っていくのは難しいのです。「価格」で差別化する戦略は、限界に来ていると思います。
https://seleck.cc/748
なので「差別化・ブランディング・コンセプトが大事!」となるわけですが…。
単に「良いイメージ」「統一感」だけや、有名な成功例のマネ、形だけの差別化でもありません。
できれば需要や市場、主力商品の魅力、事業の強みなども活かせると、小規模ネットショップならではのステキなお店にできる可能性はあるでしょう。
きちんとペルソナやコンセプト作りができれば、好みや直感だった発信やクリエイティブに基準を与えてくれるはず。
ただ、決めた後も、ネットショップ運営を通じ「ペルソナが本当に求めるモノ」により近づけていくイメージが良いと思います。
「そんなうまくいくのか」と言われてしまうと困りますが。
ネットショップのコンセプト事例
ときめくコピーセンスで「魅せる」ブランディング事例
商品そのものに、ペルソナを強く意識したコピーや表現をつけてしまう事例。
難易度高いですが、ステキすぎたのでとりあえずご紹介しますw
これがドンピシャな女性なら、自然と話題にしたくなりそうです。
ここはmayla classicが営む、あまいあまいスイーツの館。
マイラクラシック クラプティーファ・シュピネ
子供の頃に夢でみたあこがれの世界。
“めまいがするほど可愛い”デザートな靴に高ぶる感情はもう止まらない。
爽やかなミントとあまいチョコレートが放つ不思議な香りにあなたへの思いが加速しそう。
さぁ、美味しいファッションを召し上がれ。
オリジナルとセレクトに軸を作るコンセプト例
長野県東御市御牧原の山の上にポツンと佇む小さなお店です。
…食と生活それぞれの面から、自分たちが心からよいと思うものを販売しているそんな店を心がけています。「わざわざ来る価値のあるお店」であること常に意識し、来ていただいたお客様に感謝の気持ちを忘れず、来て良かったと言われる店づくりを心がけています。
わざわざ
「ポツンと」「心からよいと思うものを」というフレーズで、いわゆる「丁寧な暮らし」を好むターゲット層向けラインナップを想像させています。
同じ「女性向け」でもmaylaさんとはガラリと変わり、言葉もショップデザインも、大人めシンプルに。
人気ショップに見るコンセプトの作り方 共通点
二つの事例に共通するのは、
- 機能を推しすぎない
- ペルソナ、お客様目線
- 独自性
がある点。コンテンツ全般にもいえます。
例えば、適当に
- 激安の殿堂
- 最大級の品揃え
- 美味しいこだわりの〜
などとしてしまうと、競合でもありそうですよね・・・。
1、2はAmazon・楽天で間に合ってしまったり。
より印象的なコンセプト作りには、手間や知恵がかかります。
ですが、(ある程度は)「予算の潤沢な一握りの有名店」だけのものではないです。
参考(追記)
コンセプトや強み言語化の参考になる部分を引用させていただきます。
いまでは「無添加」「希少種」など、強みではあるけども、もはやそれだけでは【独自の強み・コンセプト】とは言えなくなりました。
超有益すぎて、小さくなってしまいそう・・(泣)。
でも、心配ご無用(?)
誰にもできるようで、(多分ですが)やり抜くネットショップさんが限られてくるので、「いいショップにしようとするかどうか」なのかな、なんて、私自身もハッとさせられます。
SNSやネットの成功例を眺めているだけでは、伸ばせない部分でもあるかと。
世の中の大体のものは近くに売っているものや代用が効くものです。
売りたい商品だからこそ希望的観測や愛情は捨てて考えることが一歩目だと私は考えます。
こだわりの詰まった豚肉はただの知らない肉
丁寧に作ったハンドメイドアクセサリーも、無名のアクセサリー。全ては想起にある。
ウェブショップで豚を売るのなら〜やってわかったECのコツ 出品編
オリジナル商品で差別化し、eコマースの競争力を高める方法
「モノとしての商品」は溢れていて、【他にあまりないから】だけで勝手に売れることは難しいです。
私も全てわかるわけではないですが、漠然としたオリジナル性の高さでなく、ペルソナ像や特定の利用シーンがあるなど、選んでくださるお客様を考えられた商品は強いと感じます。
オリジナル商品をお持ちの方、気にはなっている・・・という方は、届くように考える、伝えることもできると売りやすくなるはず。
「商品の独自性」はアイテム自体の機能、デザインかもしれないし、広報かもしれません。
ですので、強いことは言えませんが、まずは諦めないでください。
そして、今すれ違っている部分を見つけていきましょう。
ネットショップの売り方で差別化
例:https://faretoqe.com
どちらかというと「商品そのものではなく売り方を変える」という考え方も。
こうすれば売れる、というものではなく選択肢として。
「手法」だけではやはり少しづつ、同じようなネットショップは増えてしまいますので。
定期購入
お店側が選ぶか、またはお客様好みにカスタマイズした商品が定期的に届くシステムです。「サブスクリプション」と呼ばれる売り方。
簡単なご案内で失礼します。
オリジナルな商品説明文を充実させよう
安心されるお店は、セレクトアイテムであっても、独自の商品説明がしっかり書かれています。
メーカー公式にあるような文章だけでは、価格競争などになりやすいでしょう。
他サイトにない文章は、SEOにもいい影響が。
ブログ集客をするとしても、ネットショップのSEOは、お店ページも「できることはしておく」がオススメです。
個別の事情やカート次第でSEO上のハンデが大きい場合もあり、ショップ内の工夫だけで簡単に検索順位が上がるものではありませんが。
商品ページが魅力あふれるコンテンツの例
「暮らし」を軸にしたECサイト「北欧、暮らしの道具店」では、ブログだけでなく、商品ページをもコンテンツ化されています。
- セレクトアイテムでも、きちんとオリジナルな内容がある
- 丁寧な説明と心地いい文章から信頼性や「暮らしを楽しみたい」ターゲットの共感が高まる
人気サイトの商品ページは、「機能、買うべき理由、想いやストーリー、お客様目線(知りたいポイントの解消や表現など)」のバランス感が素晴らしいな、と感じます。
https://hokuohkurashi.com/product_contents/316
商品ページ改善の参考記事
ストーリーで語るネットショップ例
https://f-masanobu.jp/about-masanobu-fukuoka
制作秘話やブランドに込めた想いなど「背景」を伝え、共感を呼んだり、ほんとうに品質が良い理由を伝えることができます。
ペルソナによっても変わるため、このネットショップの文章は、誰向き?・・・そんな視点で見ると、発見があるかもしれません。
ネットショップの商品画像を、自社で撮影しよう
https://www.receno.com/one/folk1na.php
生活シーンや利用後のイメージを伝えるたっぷりのイメージ画像で、夢が膨らみそう。
たとえ仕入れ品で使用可能なメーカー写真があっても、競合ネットショップでもよく使われていて、同じような印象に。
撮り下ろしがあると、
- カラーバリエーション
- 質感・サイズ感・実際に近い色合い・角度違いのカット
- どういう部屋や人に合うか(イメージ写真)
- 商品の使用感/使用例
…などを詳しく伝えられます。
なるべく自社でオンラインショップ用の写真を撮影しましょう。
小規模ネットショップこそ、デザイン/ブランディングにこだわろう
商品の少なさを、ポジティブなイメージにアップさせましょう。
丁寧なデザイン性や独自の世界観で、ショップ内の体験価値を高めてください。
何から何までテンプレ的では「覚えられない」ネットショップとなり、再訪問が難しくなるかもしれませんね。
サイトが寂しい印象で、商品の個性的な魅力が薄れてしまっている事例を多く見ます。
“少ない商品数”を生かしたウェブデザインに。品揃えが少ない場合はネットショップ全体のデザイン性を高める必要があります。
種類が少ない場合、商品ごとに、その特徴を示すキャッチコピーを付け、商品一つひとつをフルページでプレゼンテーションする手法が適切です。
少ない商品数でも成功できる!小規模ネットショップ作成のコツ
あとひとさじ、の「売れる」は細部にあり

商品も特に問題ない、ネットショップの中身、ブログもSNSも充実しているはず・・・
でしたら、「良質な商品やコンテンツを届けるのに、●●しにくい」など何かハードルがありそうです。
ショップ体験を良いものに
ステキな発信をされていても、意外な表記不足などで「お客様に伝わりづらい」状況かもしれません。
ほかの原因もありますが…。
まずは、実際に【貴ショップの前提知識】がない普通のお客様が
- 無事お買い物や企画に対するミッションを完了できそう?
- 面倒そう…と諦めるポイントはない?
かをご確認いただけると、改良の余地が見つかることも。
同じような商品なら、より分かりやすいお店に流れてしまうでしょう。
人気店を研究しましょう
なぜそれが分かりやすいか、欲しくなったポイント・・・などちょっとした文言、ディテールの意義まで気づけると、お客様思いなネットショップに育てられます。
「うちの店はシンプルだから、そんなに変わらないのでは…」と思っておられませんか?
実は、シンプル=【誰でも再現できる簡単なサイト】とは限りません。
ECの売上が悪いとき、「まず集客しよう」と考える人がいます。
それ以前の「当たり前のこと」ができていなかったり。
クリエイティブを変えることから始めました。コンタクトレンズ、どこでも買えてしまいます。
EC売上が5倍に!「ちょっとしたキッカケを積み重ねる」メガネスーパー・EC戦略の全貌
…小さな、例えば「Amazonペイメントが使えて便利だったな」で本当に良くて。…積み重ねて、少しずつ他サイトとの差を作ってく。
私で気づく範囲でも「ちょっともったいないな」と感じるサイトなどはあります(一応💦)。
Web改善が全てではないにせよ、気にはしておきたいです。
自社ネットショップの現状リサーチ方法
商品の評判やどういうところでご好評いただいているか実感がわかない場合、ネットやSNSでブランドの口コミを探してみるのも良いでしょう。
「エゴサーチ」と呼ばれる調査手法ですね。
自店のレビューにはなかったようなコメントが見つかるかもしれません。
その他、アンケートやユーザーテスト、アクセス解析などでわかることも。
ネットショップ競合調査のやり方
競合ネットショップをチェックして、
- ペルソナ像
- 良いところ
- なぜ買いたくなるか
- お客様にとっての価値
- 悪いところ
- 差別化できそうなところ
- 商品セレクト方針
- 価格帯
- サービス(送料、オプション対応)
を考えてみます。
手軽なのは、検索エンジンでのリサーチですね。
(できそうであれば)リアルなサービスの競合研究もおすすめです。
そのネットショップで実際に買ってみても。
競合の魅力と課題をうまく分析できれば、とっても有益な情報源に。
別な気づき、新たなやり方の発見につながるかもしれません。
■ 小規模ネットショップの差別化まとめ
ブランディングや差別化なんて難しい?
そういう面もあり、そうでもない面もあります。
まずは本記事が、少しでも前進されたい方のヒントになれば・・・。
記事としては、もっと深めたい方にとってはライトな印象かもしれません。
「すぐわかった気にならない」という意味で、至らない部分があるかも、とひとまず補足しておきます。
"マーケティング費用がカットされるのは今や驚くようなことではないので、今こそ企業は、これまで以上に「自社ブランドの構築」「ポジティブで価値のあるメッセージの(世界への)発信」「自社のイノベーションを顧客に届ける方法の発見」に注力する必要があります。"
— Yoshihiro OKADA (@adreamgoeson) 2020年4月10日